呼吸を合わせてボートを漕ぐ必要があるのか

サラリーマンとして組織で働く以上、部署やチームとして目標達成を目指すのはどの会社でも同じだと思います。

基本的には、トップ以下の社員全員が同じ方向を向いて仕事をしていれば、大きな推進力を生むはずです。

ボートを一人で漕ぐより、大勢で呼吸を合わせて漕ぐ方がより速く進むのと同じです。

しかし、レースに勝つという最大唯一の明確な目的の下で一致団結するレガッタとは違い、会社生活では必ずしも目的が一致しません。

会社はひとつの目標を掲げても、それに向かって努力する個々の熱量はどうしても違ってきます。

価値観が違い、年齢が違い、家庭環境が違う社員の集合体なのですから仕方ないでしょう。

リーダーシップで引っ張る時代は終わり

では、どうすればそのズレを最小限に抑えることができるのでしょうか。

昭和のモーレツ世代なら強力なリーダーシップを持つ部長や課長が部下に発破をかけ、時には叱り飛ばしながらグイグイと引っ張っていく、という例が多かったと思います。

日本全体に元気があり、耐えていればいつか報われる時代だったからこそ、それは可能でした。

しかし、滅私奉公はもう古い。大きな成長が見込めない現代では、「個の尊重」こそが突破口になるのではないかと私は思います。

つまり、呼吸を合わせてオールを漕ぐ必要はなく、個人それぞれ一人乗りのボートでゴールを目指すのです。

中にはサボる人もいれば、誰よりも速くゴールを目指す人もいるでしょう。

そのトータルで目標に達すればいい訳で、足を引っ張った人は評価を下げる、つまり給料を減らせばいいだけの話です。

もちろん、相対的に速くゴールをした人は給料が上がります。これなら総人件費は変わりませんね。

一人乗りボートを漕ぐ意識ならパワハラも起こらない

考えてみてください。年功序列が崩壊し、いつリストラされるか、いつ会社が倒産するか分からない今、全員でボートを漕ぐ必要があるでしょうか。連帯責任とか、沈む時は全員道連れとか、まっぴら御免です。

それに個人を尊重することでパワーハラスメントも減るでしょう。

上司が部下に圧力をかけて言うことを聞かせる必要はない訳ですからね。

マイペースで働いてプライベートを重視したいと思う人は給料が下がることを受け入れさえすれば、毎日定時で帰れます。

たとえチームで行う仕事でも原理原則は「個の尊重」であるべきです。

そんなことをしたら組織は成り立たないと言われるかも知れませんが、私はそうは思いません。

新卒入社の社員などキャリアの浅い人材は別にして、ある程度のキャリアがあれば、むしろヤル気のある人間がより奮起してチーム内を刺激することによって、トータルの成果は上がると思います。

他人のことはコントロールできない

たとえ部下であろうと、所詮は他人です。

他人をコントロールしようとするから軋轢が生じ問題が起こるので、それならば他人は他人と割り切り、個性を認める方が結果的にはうまくいくと思います。

あとはそれを経営陣が実践できるかどうか。実はこれが一番の問題ですが、まずは自分の意識から変えていきましょう。