見せしめ?で狙い撃ちされた芸能事務所

大手芸能事務所のアミューズや吉本興業、LDH JAPANが労働基準監督署から是正勧告を受けたそうです。

アミューズはサザンオールスターズなど多数のタレントが所属、吉本興業はお笑い王国、LDHはEXILEですね。いずれも芸能界で有力な大手事務所です。

部署によるとはいえ、一般企業とは勤務形態が違うためこれまでは見過ごされてきたと側面もあるでしょうが、これも「働き方改革」が叫ばれる時代の流れでしょうね。労基署から「見せしめ」として狙い撃ちされたのだと思います。

大手芸能事務所に労働是正勧告

「代休なんてある訳ないじゃないですか」

私はライター時代に芸能系の取材も何度もしましたが、華やかな表舞台の裏で芸能事務所社員の労働環境は異常です。テレビ番組の収録なんて24時間態勢で、そもそも「定時」や「残業」という概念がないと言っても過言ではありません。

土日出勤も当たり前、「今日のスケジュールは29時までぎっしり」とか平気で言っていました。

一度、ある事務所の社員に分かってはいながらも「代休はもらえるんですか?」と聞いてみたら「うちの会社に代休なんてある訳ないじゃないですか」と即答されたことがあります。

だからひとつひとつの仕事が杜撰になったり、ダブルブッキングをしたり、信用を失うことにつながることもあるのでしょう。

彼らの仕事ぶりを見るたび、「絶対に入りたくないな」といつも感じていました。

今回の是正勧告で劣悪な労働環境がどこまで改善されるか分かりません。特に変わらないような気もしますが、それでも長い目で見れば改善するきっかけにはなり得るでしょう。

他の事務所も労基署から目を付けられていると自覚するはずなので、業界全体的に改善していこうという空気になる可能性はあります。

「好きでやっている」指摘は的外れ

こういうニュースが出ると「彼らは好きでやってるんだからいいだろう」といった主旨のコメントを散見するのですが、本当に好きで休日返上している社員がいたら連れてきてほしいです。

「芸能の仕事が好き」という点では共通していても、休日をもらえるに越したことはありません。趣味や家族との時間を犠牲にしても働きたい、なんてモーレツ社員を探す方が至難の業です。

私の前の職場も含め、マスコミ全体的にそれに近い部分はありますが、芸能事務所に比べればはるかにマシです。特に最近は世間的な批判を受けるので、前の会社でも「働き方改革」という言葉をよく聞くようになっていました。

優秀な人材が入ってこなくなる

業界として危惧すべきは、優秀な社員が離れていくこと、もしくは入ってくれないことです。今は収入より休日や福利厚生を重視する若者が多いので、趣味も仕事もほどほどに楽しめるような環境に近付けないと、今後ますます先細っていくでしょう。

いくらサザンが好きだから、芸人が好きだからと言っても、いつ嫌いにならないとも限りません。経営陣がそれに甘えて職場環境を改善しないと確実に破綻に近付いていくでしょう。

だから我々も「彼らは特別」とか「好きでやっている」という固定観念を捨てることが大切です。