就職活動戦線本格化

春の足音が近付いてきました。出会いと別れの季節です。新たに門出をする方は希望に満ち溢れているでしょうね。私にもそんな時期があったなぁ。←遠い目

おっと、感慨に耽ってしまいました。

就活中の方はそんな余裕もなく苦しんでいるかも知れませんね。社会に出る、職業を決める、会社を選ぶということは間違いなく、その後の人生を大きく左右します。売り手市場でも、安易に決めることなく悩み抜いてほしいと思います。

さて、先日ある有名大学関係者と話す機会があったのですが、私が転職した経緯を説明すると、「ウチでも出版社や新聞社に行きたいという学生は多いよ」と言われました。

その時も力説したのですが、私は声を大にして言いたいことがあります。

紙メディアの将来性を認識していますか?

いつの世もマスコミが人気業種なのは変わりませんが、取り巻く状況は大きく変わっています。

私が就活した20ウン年前は雑誌、書籍、新聞の発行部数は右肩上がりで、給与水準も高かったし、世間からも一目置かれる存在でした。

しかし、その後の20年でインターネットが急速に普及。私が大学生の頃は携帯電話を持っている友人なんてごく一握りでしたが、今はスマホでほとんどの情報を得ている人が大半です。

電車で雑誌や新聞を読んでいる人がたった2人

ライターになりたての頃は、自分が記事を書いた雑誌を読んでいる人を電車で見かけると嬉しかったのですが、今では他媒体も含めて雑誌や書籍、新聞を読んでいる人を探す方が大変です。

一度、電車の中でどれくらいの人が紙メディアを読んでいるか数えたことがあるのですが、その車両でわずか2人でした。大多数はスマホの画面とにらめっこです。

何が言いたいかというと、紙媒体は死んでいるということです。

いや、正確に言うと、死に体、いや、死に向かっている、いや、瀕死の重傷…。まあ、何でもいいや。

とにかく発行部数は減る一方です。

必然的に各社ともwebにシフトしていますが、単価が安いため紙での収入をカバーするには至っていません。

そのため私が前に勤めていた会社でも給料は大幅ダウンしたし、人材の流出も止まらないのです。※私も辞めた一人です、念のため。

合併や倒産があっても驚けない

これまで高かった給料は並のレベルに落ちているし、激務であることを考えれば金銭的には割に合わない仕事と言えます。

さらに今後は企業同士の吸収合併や、それこそ倒産、廃業があっても驚けません。出版社は上場企業もありますが、新聞社はどこも株式上場していないため市場原理が働いておらず、経営状況が見えにくいですが、内情は火の車の会社がほとんどでしょう。

ホリエモンがフジテレビを買収しようと画策して騒動になったことがありましたが、似たようなことが起こっても不思議ではありません。

紙メディアは、全く異業種に乗り出すか、カリスマ経営者を呼んでくるなどの抜本的な改革をしない限り、ジリ貧状態を抜け出すことはできないでしょう。

「憧れ」や「安定」で選ぶならやめておけ

そんな状況を把握した上で、それでもライターやジャーナリストを志す!という方を止める気はありません。それくらいの固い意志があれば、どんな強い逆風が吹いても耐えられるでしょう。

それに、とりあえず入社して記者としてのスキルや人脈を身に付ければ、転職や独立、フリーライターとして活躍する道も開ける可能性があります。

ただ、もし「なんとなく憧れて」とか「安定してそうだから」などという志望動機ならやめておいた方が賢明です。

すでに一部ではそうなりつつありますが、これからはwebメディアが自前のライターを養成して取材活動を行うようになります。取材活動には莫大な経費がかかるので現状は雑誌や新聞の配信記事やフリーライターの原稿を買って掲載することが多いですが、徐々に変わっていくでしょう。

文春砲とか、朝日新聞のスクープとか、今はまだ紙メディアの取材力に頼っていますが、いずれは「Yahoo砲」の大スクープを紙メディアが後追い報道する、なんてことが当たり前になります。実際、webメディアには私のような紙メディアから転職した例がたくさんあります。何と言ってもwebには締め切り時間がないし、スペースの制限もないので、いつでも好きなだけ情報を出せるのは最大の強みです。

勤めていた私が言うのだから間違いありませんが、紙メディアの社員は驚くほどアナログです。情報の最先端にいるのに、社内でやっていることは世間一般の企業より明らかに遅れています。→かく言う私もITベンチャーに転職して己のアナログぶりを痛感していますが…。

そんなアナログ社員が眉間に皺を寄せて、webシフトの方策を練ったところで、最先端のIT企業に敵うはずがないのです。ソフトバンクの孫さんや楽天の三木谷さんが紙メディアが持つ取材力や各界とのパイプ等おいしいところだけ飲み込む、なんてことも起こり得ると思います。

広告減少のテレビ局も見通しは暗い

テレビ局については、紙メディアほどではありませんが、見通しが厳しいことは同じです。

家にテレビがない、という家庭が増えているのはご存知でしょうか。動画や映像はPC、スマホで観られるし、面白い番組がないからという理由でテレビを観ない人が増えており、視聴率はジリ貧です。

広告収入に頼っているにもかかわらず、視聴率が低下するとスポンサーも付きにくくなります。大きな出費となるCMよりネットでターゲットを絞って広告を出した方が効果的と考える企業は少なくないでしょう。

昔はピンクのカーディガンを肩から羽織ったプロデューサーが夜の六本木でブイブイ言わす、というイメージでしたが、今は会社の経費も使えず、立ち飲み屋で1時間限定…なんてことになっているかも知れません。

「就活で人生の半分が決まる」くらいの覚悟を持て

就活中の方にはそんな事情も踏まえた上で行動してほしいと思います。

今は転職市場も活発ですが、かと言って「嫌なら辞めればいいや」というような安易な発想は危険です。転職なんて簡単にできるものではないことを知っておいてください。

大げさでなく、「就活で人生の半分が決まる」くらいの覚悟で臨んだ方がいいと思います。