出先で待ち時間に…

あれはちょうど今と同じ頃、まだまだ寒い2月下旬でした。

仕事の約束が夕方にあり、出先で待っていたのですが、慣れた仕事である上、特に大きな案件でもなかったので、緊張感もなく時間をやり過ごしていた、その時でした。

携帯の着信があり(当時はまだガラケーだったと記憶しています)、液晶画面に部長の名前が表示されていました。

その日が人事異動の内示日であることは分かっていましたが、まさか自分が異動になるとは夢にも思っていなかったので「もしかしたら昇進かな?」とノー天気に思ったことを覚えています。

「異動の内示が出たぞ」

「はい。どこですか?」

この時点でまだ自分の立ち位置、会社の評価を分かっていませんでした。

部長の言葉のニュアンスから、昇進ではなさそうな雰囲気なので、以前にいた部署に戻るのかな?
そんな呑気なことをわずか数秒の間に予感したものです。

衝撃の異動通告

しかし、一呼吸置いて部長から告げられた行き先は、後頭部を不意打ちされたような強い衝撃を私に与えました。

「⚪⚪部に行ってくれ」

全く予想しない部署名を呑み込むのに少し時間を要した程です。

緊張感のなかった私は激しく動揺し、5分後に迫った仕事など、どうでもよくなりました(それでも理性を失わず、その仕事はきちんと終わらせたことは付記しておきます⬅偉いっ!)。

仕事を終えると、誰にも会いたくなかったので、その日は会社に戻らず、かと言って真っすぐ家に帰る気にもならなかったので、独りで夜の街をぶらつきました。

それまで独りで飲むことなどなかった私は、行き付けの飲み屋もなかったのですが、この時ばかりは飲まずにはいられませんでした。

缶ビールを一気飲み

今なら独りで入れる小料理屋やバーなども知っていますが、当時は良さげな店を見つけても外から覗き込むだけで、入る勇気もありません。

30分くらい歩き回った末、結局コンビニで缶ビールを買い、公園のベンチでイッキ飲みしました。いつもより苦く感じました。

これからどうなるんだろ?

会社、辞めよかな。

背もたれに体を預けて見上げると、とても美しい冬の星空が余計に儚く、凍てつく寒さが肌に突き刺さり、脱力感に襲われたことを覚えています。缶ビールを飲んだくらいで紛れる感情ではありませんでした。(参考→異動先は「ショムニ」だった)