
代休なし、日常的パワハラ…旧態依然だった前職
働き方改革が叫ばれて久しいですが、転職してから分かったことがあります。
今の会社では土日出勤すると、前職ではあり得なかった「代休」の取得を義務付けられているんです。
大学を出て就職してから一つの会社しか知らなかったので、代休なんて取れないのが当たり前だと思っていたのですが、恥ずかしながらそれが当たり前ではないことを最近知りました。
私も若かったのでそれに不満を感じることもなかったのですが、退職する数年前くらいから労基署が入ったり、外圧によってようやく「働き方改革」という言葉を社内でも耳にするようになった程度です。
ライター時代は土曜も日曜も盆も正月もなく、休みが急に吹っ飛ぶことも珍しくありませんでした。
そんな旧態依然の会社だったので、今考えると問題になるようなことがまかり通っていましたね。
今から20年くらい前の話ですが、部次長クラスが何人かいて、その日の責任者を交代制で回していました。
ライターは取材現場から電話で会社に報告したり、打ち合わせをするのですが、ある部次長はホントにパワハラを超えたパワハラというか、常に眉間にシワを寄せて怒鳴り散らすような人でした。
あまり思い出したくないのですが、私が電話すると報告に耳を傾けることなく「馬車馬のように働け!」と電話越しにがなりたて、ガチャン!と切られたこともありました。
まだ駆け出しだった私の報告など聞く必要もないと言わんばかりで、電話を切ってからもしばらく耳鳴りが治まりませんでした。
今ならさすがに一発レッドでしょうが、当時は問題になることもなく、同期入社のライターと傷を舐め合ったものです。
鬼次長の当番が回ってくるのは数日に1回なので、順番が巡ってくる3日前から3日後のことを考えて憂鬱になっていました。
「怒られない」ことを最優先するように
組織を統制する上である程度の圧力は必要です。
何も言わなくても勝手に成果を出してくれるような組織なら楽ですが、水は上流から下流に流れるように、人も放っておくと楽な方向へ流れます。
そのために上司が部下を引き締める訳です。
ただ、その圧力が強すぎると部下は能動的に動くのではなく「怒られないためにはどうしたらいいか」を考えるようになります。
すると、どうなるか。
怒られないために言われたことだけするようになり、仕事に対する積極性を失うのです。
思考停止状態では実力はつかないし、精神状態を壊したりしたらそれこそ悲劇です。
実際、前の会社ではパワハラに遭って精神を病んで休職したり、産業医に駆け込んで異動になるような例は少なくありませんでした。
管理職とは部下に言うことを聞かせるのが仕事ではなく、組織が正しく運営され、利益を上げるように回すのが仕事です。
「馬車馬のように働け」という言葉を真に受けて本当に実行したら、働き方改革の真逆をいくことになります。
どうしたら部下が自ら進んで仕事をし、最大の成果を出してくれるかと考えれば、「馬車馬のように働け!」という言葉は出てこないでしょう。
あまり書くと愚痴っぽくなるのでやめておきますが、なかなかブラックな環境で働いていたんだなと我ながら思います。
転職先で指摘されてドキッ
なぜこんなことを書いたかと言うと、先日、会議で「受け身になったらダメだよ」と上司から指摘されたからです。
個人的な叱責ではなく、その場にいた全員が注意されたのですが、私は内心ドキッとしました。
「受け身」と言われると否定はできません。
前職の酷な経験から知らず知らずのうちに「受け身」な姿勢が染み付いていることは自覚しています。(参考→指示待ち族という“大企業病”にかかっていた自分に気付きました)
元々の慎重な性格もあるとはいえ、上司からそう思われるのはサラリーマンである以上、いいことではありません。
幸い、今の会社はパワハラをするような上司はいないので、失敗を恐れず「積極性」を念頭に置いて仕事に取り組みたいと思います。
同時に、私が管理職になった場合は部下の積極性を育むように言動に注意したいとも思っています。