信頼する後輩の頼みを断れるか

芸人の闇営業問題が世間を賑わせています。

結果論で批判するのは簡単ですが、仮にあなたが宮迫の立場だったら、信頼する後輩からの頼みを断れますか?

反社会的勢力の依頼と知らなければ、受けてしまうのは仕方ないと私は思います。

もちろん、闇営業が決して珍しくない世界であることが前提ですよ。

例えば、副業禁止のサラリーマンの場合は違うことは言うまでもありません。

昔は当たり前だった闇営業

ライター時代にタレントや芸能事務所幹部を取材したことがありますが、会社を通さない闇営業なんて、昔は当たり前のようにありました。

「闇営業」とは反社会的勢力に限った話ではなく、事務所を通さない、直の営業という意味ですが、それこそウン十年前は「闇社会」とのつながりなくして興行が成立しなかったため、かなり密接な関係であったことは想像に難くありません。

何も知らずに指定された場所に行ったら、暴力団の新年会だった、なんて話はごまんとあります。

芸人にとっては、事務所にマージンを取られないので「おいしい仕事」である場合が多いし、依頼する側にとっても事務所を通さないので支払いが安く済むメリットがあります。

そういう慣習は今でも残っているし、いつバレるかと、内心ビクビクしているタレントは少なくないかも知れません。

吉本の指示を忠実に実行しただけのカラテカ入江

闇営業に限らず、表の仕事も含めて、仲介をビジネスにしたのが「友達5000人」を謳っていたカラテカ入江でした。

現役のライターに聞いたところ、吉本興業が反社会的勢力との関係を断ち切るため、入江にも仕事の依頼をしないように指示し、入江がそれを忠実に実行したことが反社会的勢力の反感を買い、週刊誌にリークされたようです。

5年も前の闇営業が今頃、問題になるなんておかしいですもんね。

入江にしてみれば、会社から言われた通りにしただけなのに契約解除されるとは、理不尽な思いでしょう。

吉本興業は「住みます芸人」を全国の都道府県に配置し、地方自治体や公共機関の仕事が増えているため、反社会的勢力を一掃することが今や最重要事項となっているようです。

そういう意味で、今回の騒動はあまりにもタイミングが悪かったと言えます。

宮迫への社会的制裁は大きすぎないか

ともあれ、入江だけでなく、宮迫やロンブー亮らも社会的に抹殺されかねない悪者扱いなのはどうも釈然としません。

確かに「ギャラは受け取っていない」と嘘をついたのは自らの傷口を広げました。上層部の怒りを買ったことは想像がつきます。

しかし、反社会的勢力からの依頼だったことは知らないと言っており、それも嘘だということは証明しようがないでしょう。

知らなかったから許される訳ではないとはいえ、その点では罪が軽いと思います。

となると、彼らが責められるべきは嘘をついたことが最大の要因ということになります。

それにしては、受けている社会的制裁が大きすぎると思いませんか?

彼らが出演していたレギュラー番組を制作するテレビ局や関係各所に迷惑をかけてまで無期限の謹慎処分を科し、ワイドショーはおろか、ニュース番組でも取り上げられるほどの深い罪なんでしょうか。

記者会見して謝罪し、心の底から反省の意を示せば許してあげてもいいと思うのは緩すぎるでしょうか。

社内外にアピールするための見せしめ?

私は今回の処分が「見せしめ」の意図をはらんでいるような気がして、モヤモヤしています。

要するに、吉本興業が反社会的勢力との関係を断ち切る姿勢は本物ですよ!との外向けのアピールに、彼らが利用されているのではないかと思うんです。

同時に、今後同じことをすればこうなるという、所属タレントへの見せしめもあるでしょう。

少なくともこれまで会社を支えてくれたタレントを切り捨てることによって、会社のイメージや権力、影響力を守ろうとしているのなら、私は賛同できません。

公共の電波で「吊し上げ」は危険

「宮迫のためを思って言ってあげたけど、分かってなかった」という旨のコメントをしたダウンタウン松本も然りです。

言いたいことは分かりますが、ピラミッドの頂点に立つタレントが、後輩に対して公共の電波を通して言うことではないと思います。

人の人生を簡単に潰すような言動には悲しさを覚えます。

メディアもそれを垂れ流すだけで誰も異を唱えないのは正直、気持ち悪く感じます。今や吉本のタレントを使わずに番組を作ることは難しくなっているので、何も言えないんでしょうね。

世論が一斉にひとつの意見に傾くのは健全ではないし、危険な兆候でもあります。

これも不寛容なご時世ならではなのかも知れませんね。お互いに助け合わない関係は、いつか綻びが生じると思います。